防腐剤としても使われるホウ酸が防腐剤フリーの目薬に入っている理由とは?

ソフトコンタクトレンズを使用中していたりドライアイの人は防腐剤フリーの目薬をお使いだと思います。

細菌の汚染から薬剤を護るための防腐剤の入っていない目薬は開封後の使用期限が短いため面倒ですが、防腐剤成分が長く目に留まると角膜に傷をつける可能性があるため、ドライアイやソフトコンタクトレンズを利用するなら仕方なのないことですね。

ソフトコンタクトレンズの使用者だけでなく、ドライアイにも防腐剤がよくないことが知られてきたため、防腐剤フリーの目薬が多く販売されるようになりました。

そんな防腐剤フリーの目薬の成分をみていて生じたのがこの疑問。

ホウ酸は防腐剤ではないの?

ちょっとした謎、ホウ酸は防腐剤ではないの?
防腐剤フリーの目薬のなかにはホウ酸が入っているものがあります。ホウ酸はものもらいなどで目を洗うのに用いられているホウ酸水でもおなじみの殺菌作用のある物質です。

そのため防腐剤として使われることもあります。コンタクトレンズの保存液に利用されていることもあります。ホウ酸入ってるのに防腐剤フリーなの?という疑問が湧きませんか?

なぜホウ酸が入っていても防腐剤フリーなのでしょうか。

そもそも防腐剤ってなんだろう?
防腐剤は「腐らなくするために添加されるもの」というのは当然のことですが、じゃあいったいなにが防腐剤で何が防腐剤でないのでしょうか?

防腐剤として添加されるもの
目薬に含まれている防腐剤は「ベンザルコニウムとパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)類」がほとんどを占めているそうです。その他防腐剤として用いられているものには以下の物があります。

ベンザルコニウム塩化物
ベンゾドデシニウム臭化物
パラオキシ安息香酸エチル
パラオキシ安息香酸メチル
パラオキシ安息香酸プロピル
クロロブタノール
ソルビン酸
参考サイト:防腐剤の入っていない目薬は安心?-薬剤師のブログ-

これら「防腐剤として利用する」ものを用いていないものが防腐剤フリーということになります。

ホウ酸は防腐剤としては用いられていない
目薬の容器に入りこんでしまった細菌を死滅させるために用いられているもの、その目的で利用されているのが防腐剤。ならばホウ酸は何のために入っているのでしょうか?

その答えは「薬物の安定性や角膜透過性を向上させたり、薬物や他の添加物の分解などによる経時的なpH変動を防止するため」と説明されています。ようするに薬剤の変化を抑えるために用いられているということです。

ホウ酸が目薬に利用されていることに関してこんな情報も見つけました。

ホウ酸の殺菌効果は殆どないことから、点眼薬に混入されるのは、抗菌効果による保存剤としてではなく、PH緩衝剤としての利用と考えられますが、ホウ酸緩衝液はアルカリに傾いており(ホウ酸のpKaは9程度です)、点眼薬の緩衝剤として理想的なのか、疑問が残ります。
ホウ酸|きくな湯田眼科-院長のブログ

ホウ酸には抗菌効果、殺菌効果はあまりないとのこと。殺菌効果が少ないなら角膜への影響も小さいと考えられますね。

理解すれば防腐剤も怖くない
ホウ酸が防腐剤でない理由は防腐剤として使えるほどの効果がないため、という結論でした。

防腐剤は毛嫌いされがちですが、ソフトコンタクトレンズを使っている人でも1日使い切りタイプならあまり問題がないとされています。というのも防腐剤がコンタクトに吸着されても、そのコンタクトはその日のうちに捨ててしまうため影響が小さいためです。

ドライアイであったり使い切りでも数日以上使うタイプのソフトコンタクトレンズを使用していて防腐剤による悪影響がでるなら防腐剤入りは避けるべきです。

一方で防腐剤入りの目薬は種類も豊富で日持ちもして手軽です。

防腐剤フリーと表記するだけでなく、使用している防腐剤の角膜への影響の多い少ないを示してくれたらありがたいかもしれませんね。